世界の書棚から第41回「翻訳から知るフランス語圏のマンガ “バンド・デシネ” の世界」に行ってきました(2026.10.17)@板橋区立中央図書館

フランス語圏のマンガ“バンド・デシネ/bande dessinée ”の翻訳の歴史は案外長く 現在では多くのバンド・デシネを日本語で読むことができますが 現地では大人気なのに日本語に翻訳されていない作品もたくさんあります
2008年からバンド・デシネの翻訳に携わってきた講師の先生が 翻訳を入口にバンド・デシネの世界をご案内してくださいました:
講師の先生の翻訳作品(60タイトル 115冊)
まずはバンドデシネの歴史をさっと伺いました 1930年代にcomic stripから翻訳された言葉がバンドデシネ(bande dessinée)です
今 若者たちは紙の雑誌から電子書籍に移行しつつあり フランス・ベルギーでは紙の雑誌は激減し 残すなら単行本でという流れとのこと ← 日本でも少年ジャンプが600万部からとうとう100万部を切ってしまい...
また 「サウザンブックス」では クラウドファンディングで次々と新しいマンガ本が翻訳出版されており 今はこういう流れなのですね
SNSでまず人気が出てから 出版社が目をとめて出版にこぎつけるケースも増えているそうです
サウザンコミックスのクラウドファンディングで出た本の数々
Spirouという雑誌はカラーで薄く 一つの作品が見開きくらいのペースで連載しています 単行本も薄くて サイズも大きめ 描きおろしで値段もけっこうします ← 日本では長い間 マンガ雑誌は粗悪な紙に分厚いボリュームで印刷していたのとは対照的ですね
クラシックなBD(バンドデシネ)の特徴は 48CC (ハードカバー、カラー、A4)とのこと
ロマン・グラフィック (roman graphique)の特徴 これはグラフィック・ノベルのフランス語版で 小型 白黒 ページ数も多めです
自伝や伝記 文芸的な作品も多く イランの作家の「ペルセポリス」(イスラム革命がテーマ)が代表的とのこと(上の写真) また「チェルノブイリの春」 「見えない違い 私はアスペルガー」「誰も教えてくれなかった気候変動の本当の話」等ご紹介いただきました
近年のBDの傾向としては ロマングラフィックの台頭 女性作家の台頭(ずっと男性作家が占めていたのですね) フランス産Manga (フランス人作家の作品) そしてなんと日本人作家が 日本からではなくいきなりフランスでデビューし それを日本に逆輸入するケースが増えているそうで国際化をひしひしと感じました😲
女性作家では マルジャン・サトラピー(上の「ペルセポリス」作者)以前と以後に分かれるそうです 若い女性の結婚観がテーマ等... フランスでは男性読者が多く 日本では女性の読者が多いのですが 最近はフランスでも女性の作家と読者が増えてきているようです
日本人作家がBDを出版する例として 寺田亨 谷口ジロー りんたろう等をご紹介いただきました ← 昨年の第1回BDフェスティバルで 初めてりんたろう氏の講演を聞きました🎤
電子版については 日本ではマンガの7割が電子版を占めているとのこと 今はInstagramやWebtoon(韓国で始まった縦スクロールの電子版マンガ)が普及しつつあります
そして 「メゾンプティルナール」(北区滝野川)というBD専門店をご紹介いただきました BDは値が張りますが 古本もあるし観るだけでもどうぞとのこと😊
タンタンシリーズ 子どもに大人気!
日本におけるBD受容について 60年代は「アステリックス」等子供向けのBDの邦訳版 「タンタンの冒険」(上の写真)そして 「Woo」という海外専門誌の発刊と続きます
80年代のスターウォーズによるSFブームでMœbiusが紹介されます そして'80~90年代のネットもない時代にお金をかけて 海外の作家たちに作品を描いてもらっていた週刊モーニングのことも...私も当時読んで衝撃を受けました 読んだことのないドイツの漫画もあり異彩を放っていました
そしてIgort(イタリアの作家) ← ウクライナ・ノート ロシア・ノート等読みました '90年のフレデリク・ボワレの来日 等...
そして2008年に日本初のBD専門出版社「ユーロマンガ」創刊 そして花伝社が社会問題がテーマのBDを出してゆきます トランスジェンダー シャルリーエブド事件 コロナ等がテーマです そして フェミニズムを扱ったBD 「世界を変えた15人のスゴい女たち」等...
手塚キャラを使ったチーム・フェニックスのスピンオフ作品 聖闘士星矢 Goldorak(グレンダイザー) フランスの学校は水曜が半ドンなので 帰ってきた子供たちがいつも日本のアニメを観て育ちました📺
BDの虚像と実像のギャップ 第9の芸術とも言われるBDは フランスでは多様な作品が 日本では子供向けと大人向けが別々に作られています
BDの市場構成は 2019年で大人向け 子ども向け 北米コミックスの翻訳に続き 日本のマンガの翻訳版が39%を占め さらに2023年のフランスのマンガ市場は 日本の作品が53%と驚きの数字が😲
アステリックスは今でも続いており(サザエさんみたいな長寿シリーズ!)いつも1位! そして色々な今の人気作品を立て続けにご紹介してくださいました
質疑応答では フランスではBDを読みきかせしており 読書への導入となっているそうです
日本では考えられない... アングレーム国際BDフェスティバルで 受賞者30人全員が男性だったことへの反発で2026年に中止等
フランスの出版社「キウーン/Ki-oon」の語源はなんと 「胸キュン」! フランスの漫画出版社の中で日本に本格的進出しているのはここだけとのこと😲 今やフランスの編集者は日本語が話せて訳せて... という人が多いそうです
「翻訳から知るフランス語圏のマンガ “バンド・デシネ” の世界」開催のお知らせは こちら
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2026年10月31日(土) 11月1日(日)に 第2回バンドデシネフェスティバルが開催されます:
「第2回東京バンドデシネ・フェスティバル2026(2026.10.31,11.1)@東京国際フランス学園」(北区滝野川)開催のお知らせは こちら
右のチラシ 今年も鉄腕アトムがモチーフですね😲
「第1回東京バンドデシネ・フェスティバル」(2025.11.1,11.2)のリポートは こちら
紹介記事は こちら
第1回に行った時 フランス語学校の講師の先生から勧められて バンドデシネを買いに来たという若い生徒さんたちと話し 層の厚みを感じました ← イタリア語学校ではあまりイタリアの漫画を読まないし 漫画をモチーフにしたテキストもごくわずか イタリアでは漫画を描くだけでは食べてゆけないので仕方ないか...😞
フランス語わからないのですが(笑) 第2回BDフェスティバルが楽しみです😊
この「世界の書棚から」シリーズ(ほぼ毎回参加✌)でバンドデシネを知り BDフェスティバルのことを知り 1回目に引き続き2回目も行かれるとは...「絵本のまち いたばし」に住んで近所にこんな貴重なイベントがある環境に感謝しつつ...これからもずっと聞き続けたいと思います💐