第33回世界の書棚から「7才から77才まで読まれるバンド・デシネ その秘密とは?」に行ってきました(2025.9.21)@板橋区立中央図書館
フランス人のマンガ翻訳家・メゾンリブレ合同会社社長のDesbief Thibaud(デビエフ・ティボー)氏の バンド・デシネ (bande dessinée)の講演を聞きに板橋区立中央図書館に行きました
日本の漫画の翻訳を多く手がけてらして コナン Monster マスターキートンも訳された方です😲
【バッドアス(BADASS)展 】も同時開催されていました
フランスで人気を博す現代のバンド・デシネの中から 個性的で魅力的なヒロインたちを紹介するものです
男の子は男子のヒーローに 女の子は男のヒーローに憧れ 女の子のヒーローは少ない中でのヒロイン紹介が丁寧にされていて興味深かったです😊
この日の外国語おはなし会(2時~)は なんとクメール語😲 こちらも聴きました~♪
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フランスでは 子供たちは絵本の次に自然とバンド・デシネ(BD)を読むようになるとのこと
BDは日本のマンガ アメコミと並んで世界三大コミック産業のひとつですね
タイトルの「7才から77才まで」というフレーズは 年齢に関係なく という意味でよく使われるそうです

タンタンシリーズ フランスで有名
「Les Triplés(みつごちゃん)」(Nicole Lambert作)は 子どもから見た大人社会の風刺です 可愛い三つ子ちゃんときれいなママ アニメ化されました
そして 展示にもあった 女性が主人公の「BADASS(バッドアス)」 これは 強くて自由で方にハマらない女性キャラのことで ここ10~15年 そんなヒロインに人気が出てきているそうです
マンガは教育 記録 批評の手段とされているのですね
フランスのマンガは マイノリティーや庶民の視点を描いています
BD
しかしフランスでは日本のマンガが半分を占めており(やっぱり!)
ワンピース等は絶大な人気を誇っています (イタリアでも)
デジタルコミックは日本ほど読まれていないそうで マーケットは6,800万部 スマホに押されて本離れが進んでいるそうです
フランスの親は子供が読書をしていると安心します😊 ゲームだと依存症になるし... フランスは6週間ごとに長い休みがあり 夏休みも2か月もあり...😲 なので 大型書店FNAC等では いくらでも無料で立ち読みOKとのこと😲
バッドアス(BADASS)
フランスの作家がマンガを 日本の作家がBDを描くという時代なのですね😲
バッドアス(BADASS)
20年くらい前は フランスではBDしかなかったそうですが...今はこうして漫画を描くフランス人作家が出てきているのですね! フランスの新聞の一面に日本のマンガの紹介記事があるなんて😲
「Les Ignorants(ワイン知らず・マンガ知らず)」(エテ・キエヌ・ダヴォドー)は ワインを そして漫画を愛するフランス人を主人公にした漫画です
バッドアス(BADASS)
続く質疑応答では なぜフランスは娯楽以上のマンガが求められる社会なのか? (日本のマンガは娯楽 エンタメである)
また 日本のマンガは娯楽ゆえの課題があるが フランスのBDの課題は?等の質問がなされました
フランスで日本のマンガが成功した理由は フランスの出版社が 少年少女向けの作品をまったく作らなかった時期があり その穴場にちょうど日本のマンガが入ってきたのだということです😲
(イタリアに日本のアニメが入ってきたのも同じですね)
バッドアス(BADASS)のヒロイン
そして私も質問させていただきました:
「自分も今日ここに来ている人たちと同じ アニメ・マンガの長年のファンです(漫画の編集者もいらしていた)
イタリア語を学び イタリア人のアニメファンの友人がたくさんいて とても楽しいです💕
1970年後半からイタリア そしてフランスでも日本のアニメが放映され それを見て育った子供たちが 40~50代となり「Generazione Goldrake(グレンダイザー世代)」と呼ばれるようになりました
今日のセミナーでは ハーロックや聖闘士星矢 グレンダイザー等の日本のアニメをリメイクされたバンド・デシネ作家をご紹介いただきましたが 日本のアニメもバンド・デシネに影響を与えているのでしょうか?
それに対して: 自分もまさにそのグレンダイザー世代であり 日本のアニメを観て育ったのです 当時は「AKIRA」しかフランス語訳が出ておらず 日本のマンガを読むには日本語を学ぶしかなかった それで日本語を学び日本に来たのです と😲
なんと 同じルーツを持つ同士だったのですね~ 嬉しかった💕
バッドアス(BADASS)
もうひとつ オノマトペ(onomatopee)をどう訳しているのか 辞書でもあるのか?と質問しました:
オノマトペはいつも苦労して訳しており 辞書があれば自分がすぐにほしいくらいです(笑) あまりオノマトペまでは読んでくれず無視されるのですが わかりやすく 情報を伝えることを優先していますが 限界があるとのこと (歩く音でも泥の地面か床か砂利道かなどで音も違うが 同じように訳す等)
この講師の方が主催される『フランス発のマンガの祭典「東京バンド・デシネ・フェスティバル(Tokyo BD Festival)」が開催されます(2025.11.1,2)@東京国際フランス学園 』のお知らせは こちら
ほんとに行ってよかったです💕